ブログ - mono語り
古いキツツキのミルクスツール。
飛騨産業のミルクスツール。
牛や山羊の乳を搾る時に腰を掛ける小さな椅子から名付けられたそうな。
座面に三本の脚をねじ込むだけの簡単な仕組みで、
ハンドルを持って持ち運びが容易にできる便利なアイテムです。
現行でも製造販売されている品ですが、
この度の品には二つばかりミソがあるのだ。
一つ目のミソは製作年代・・・。
座面裏には古びたキツツキのシールがあって、キツツキの絵の下にはHSKとある。
HSKは、Hida Sangyou Kabusikikaisyaの頭文字で、1952~1969年の品物。
随分と古い品だ。さすがに感慨深い。
「よくぞこれまで残ってくれた」と思う。
そして、この品を大切に扱った人の存在を思う。
「もの」と人とのつながりを考える時、心の片隅がほんのりと温かくなる。
そして二つ目のミソは、
半世紀分の汚れを落として、尻尾をつけたこと。
ハンドルの穴に革の丸紐を通してささやかなお洒落をして店に佇んでいます。